【読書記録】風の中のマリア 百田 尚樹 (講談社文庫)

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風の中のマリア 読書記録

作品あらすじ

命はわずか三十日。ここはオオスズメバチの帝国だ。晩夏、隆盛を極めた帝国に生まれた戦士、マリア。幼い妹たちと「偉大なる母」のため、恋もせず、子も産まず、命を燃やして戦い続ける。ある日出逢ったオスバチから告げられた自らの宿命。永遠に続くと思われた帝国に影が射し始める。

私たちはただ務めを果たすだけ。ある日、突然やってくる終わりの日まで。

Amazon商品ページより引用

読書感想

 電子書籍kindle本の読書にはAmazon paperwhiteがおススメです。

1ヵ月前に"Kindle Paperwhite"を買いました。アマゾンプライムデーの時に00円OFF(41%オフ)で激安になってたので購入しましたが、結論:"最高"だった事をお知らせします。

実は私、百田尚樹先生の本を読むのはこの作品が初めて。
『永遠の0』とか『海賊と呼ばれた男』とかまだ読んでないの!?とツッコミをいれられそうですが。それはさておき。

なんとなくタイトルに惹かれて、試し読みして、オオスズメバチの視点で自分も森林を巡っているような感覚が面白くて…という感じで読み始めた。

マリアは木立の中を縫うように飛んだ。
太陽はまだ昇りきっておらず、深い林の中は薄暗かった。
林を抜けると、崖の上に出た。視界が急に開け、眼下に深く落ち込んだ谷が見える。
マリアは谷の上を軽やかに川下に向かって飛んだ。

─ 風の中のマリア 第一部 疾風のマリアより引用

読了感を一言で表すと《神秘的な気分》だ。

この世界に”地球”がたまたま誕生したのが46億年前。
降り注ぐ強い紫外線と火山活動で、地上はとても生物が生きていける状態じゃなかった。けれど、地球には”海”があった。海の中に有機物があったことが幸いして生物が誕生した。

誕生した生物の中に”光合成”できるものがいたおかげで、空気中の酸素が増えて、オゾン層ができて、紫外線の問題が解決して、生物が地上に上陸できるようになった。

そこから長い、長い年月をかけて、生物は環境に適応する形で進化してきた。命を繋ぐ、そのために。

産むことのみに特化した女王バチ、闘うことのみに特化した雌バチ、子孫を残すことのみに特化した雄バチ。洗練されたオオスズメバチのその生態には感嘆させられる。

作中で、こんな場面がある。

その瞬間、不思議なことにマリアは次に自分が何をするべきかがわかった。
(中略)
マリアは本能の命じるままにそれを行った。
この行為は初めてのことにもかかわらず、なぜか古い記憶を辿っているような不思議な感覚をともなっていた。
─ 風の中のマリア 第二部 襲撃より引用

誰に教えられたわけでもないのにできること。
遺伝子<ゲノム>に組み込まれた祖先等の記憶。

例えば巣の作り方。飛び方。狩りの仕方。そして、女王バチのみが卵を産む理由…。オオスズメバチ達の生命の営みを通して、普段は意識の外にあるモノの力を近くに感じた。

奇跡的に誕生した星で、偶然の奇跡的な積み重ねで生まれた命がバトンを繋ぎ、そうして今ここにある命。命の儚さ、生きることの意味、そんなことに思いをはせると、とたんにやるせなさに襲われるけれど、

神秘的なまでの生命の営みは、何よりも美しい。

そう思わせてくれる作品でした。

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著者情報

百田 尚樹

1956年、大阪生まれ。同志社大学中退。放送作家として人気番組「探偵!ナイトスクープ」など多数を構成。2006年、太田出版より刊行された『永遠の0』で作家デビュー。’08年に発表した小説『ボックス!』(太田出版)で高校ボクシングの世界を感動的に描いて圧倒的な支持を集め、一躍読書界注目の存在となる Amazon商品ページより引用

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